経営における最大の資産とは?『グレイ (堂場瞬一著書・集英社文庫)』読了。

小説・映画から「お金」を学ぶ

グレイ (堂場瞬一著書・集英社文庫)』を読んだ。

話の流れを簡単に要約すると、うだつの上がらない20歳の大学生が「成功したい」とアルバイトをし、知らず識らずのうちにブラックなビジネスに染まっていくという話である。

若い頃の焦燥感を思い出させてくれるという意味でも面白い本なのだが、特に注目すべきは、本書の最後の方に、資本主義経済社会で「成功」するためのヒントを語る重要なシーンがあること。

(※念のため言っておきますと、若干ネタバレになってしまうので読もうと考えている方は飛ばした方がいいかもしれません。)

 

その重要なヒントとはこちら。

「これからの世の中を渡っていくのに一番大事なのは情報だ。金ではない。金は情報から生み出される副産物のようなもので、そこに執着すると失敗する。」(『グレイ(堂場瞬一著書・集英社文庫)』p427より引用)

これは成功したい起業家や経営者が是非とも意識したいポイントだ。

 

実はお金持ちになりたいと思って「お金」に注目して商売するとまず失敗する。

上記でいえば、大事なのはお金ではなく「情報」だと。では、ここでいう情報とは何か?というと、誤解を恐れずいうなら「顧客リスト」「顧客名簿」などのことである。

「商売は名簿に始まり、名簿に終わる」と言われるように、顧客名簿、顧客リストは超がつくほど重要な資産になる。

 

成功した起業家は良い商品を持っているとか、資金が豊富にあったから成功したのではない。

「顧客リスト」=「資産」であると気づき、顧客リストを充実させていったから成功したのだ。

例えば、ジャパネットたかたやベネッセの顧客データが流出して大問題になあったが、なぜ、問題になるかというと「売れる」からである。「売れる」=「価値」があるということだ。

 

卑近な話になるが、顧客リストがあればそこにマッチする「商品」や「サービス」をピンポイントで投げかければ労せずしてお金を生み出すことができてしまう。

お金は使えばなくなるが、顧客名簿、顧客リストは手元にあれば何度でも使い回しが可能だ。

しかも、この顧客資産には今のところ税金もかからない。夢のような資産なのだ(今後はどうなるかはわかりません)。

facebookやamazonがなぜ儲かるか?というと、大量の顧客情報を持っているから。

それだけ、顧客リスト、顧客名簿という「情報」は価値があるのだ。

 

小説に戻るが、「金を追うな。情報を追え。」というのは非常に的を射た言葉といえる。

特に現代の顧客リスト、顧客名簿といえば「メールアドレス」。

メールアドレスは目に見えない価値ある資産なのだ。

 

業績の良い企業ほど現代の顧客名簿であるメールアドレスリストを充実させていく。

そこに気づいた企業は業績がいいし、これから起業したい方も資金に注目するのではなく、まず顧客リストに注目していくと早くブレイクスルーを起こすことができるだろう。

それにしても小説は面白い。様々な人生を短時間で疑似体験させてくれるのだから。

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コラム執筆者:代表取締役 作野裕樹
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