いやーとても面白かった。
こちら『竜の道(白川道著・幻冬舎文庫)』の上下巻。
ストーリーの面白さもさることながら、「お金の実力」が大きくアップする2冊だ。
なぜ?
1つ目の理由は、作者が元々、「金融界」で良くも悪くも名をはせた人物であるから。
著者の白川道氏は、自ら投資顧問会社を起業して億単位の金を扱うようになったり、インサイダー取引やマネロンもやったりして逮捕された経験を持つ。なんとその服役中に小説家を目指して49歳でデビューしたそうだ。
だからこそ、出てくる話が、いちいちリアルで細かい。真実味がある。
読みながら、金融知識も身につくし、起業家として事業をどう広げるか?のヒントにもつながるだろう。
それを、物語から「無意識」的にアプローチしてくれるからいい。
2つ目の理由は、物語に出てくる取引金額がバカでかいこと。
億単位の話が、あっさりと出てくる。
読んでいるうちに、「ああ、お金なんてそんなものか」と錯覚する(笑)。
お金の器が広がれば、少々の意思決定で、ビビったり、恐怖などで、感情による誤った判断を避けやすくなるだろう。
そういった点で本書は優れている。
ただし、注意点もある。
それは、主人公がトコトン悪辣すぎること。ここは決して真似せぬように(笑)。笑い事ではすまない。
おい!そんな簡単に人を殺すなよ!と突っ込みたくなるが、その点は物語なので仕方ない。
それはさておき、ストーリーも面白く、金融内容にリアリティがあり、額もでかくて自然とお金の器を広げてくれる点、オススメだ。
ちなみに、残念ながら、著者の白川道氏は2015年に急逝してしまった。なので、続編を読むことができないのが惜しい。惜しすぎる。
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